バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
13・過去を捨て去り、あなたとの未来を掴み取って
「まぁ。想像以上に、大変なことになっていますのね……」
私は前世でルリミカが「黒いマイクがあれば」と懇願する場面を見たことはあっても、彼女がそれを手にした場合にどんな恐ろしい出来事が起きるのかまでは知らなかった。
「ボォ……」
だからこそ、ホトロス王国の敷地に入った瞬間から、人間とは思えぬ唸り声を吐き出すゾンビのような人々を目にした直後、さてどうしようかとたたらを踏んだ。
「俺達に任せてくれ」
「勝算は、ありまして?」
「ああ。君の歌は、妹だけに聞かせてほしい」
「信じますわ」
雑魚の相手は自分達が務めると自信満々に騙る彼の言葉を無視して歌うほど、私も馬鹿はなかった。
「行くぞ」
「はい!」
騎士団の面々と連携を取り、陛下がマントを翻しながら剣を振るう姿は惚れ惚れするほどに美しい。
――さすがは元騎士団長と言ったところかな?
案外、頼りになるんだ……。
足手まといとしか言いようのない自分を庇いながら獣と化した人々をバッタバッタと斬り伏せる姿は、まさしく鬼神と呼ぶにふさわしくて――。