バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 ――ダグラスのいいところを見せつけられたら、負けず嫌いが刺激されてしまった。

 私だって、彼をもっと惚れさせたい。
 そのためには、己の歌で妹を叩き潰す必要があった。

「そろそろ、街の中心部だ。全員、厳戒態勢に入れ」

 誰1人負傷することなく、修道士と手を組んだリナリアが根城にしている城下町の広場に設置された特設ステージへ辿り着く。

 そこでは黒いマイクを手にした妹が、私達の姿を目にして背筋が凍るような笑みを浮かべた。

「リナリア……」
「姉様」

 彼女は再び姉と巡り会えたのが嬉しくて仕方がないと言わんばかりの口調で、再会を喜ぶ。

「わたしの歌で、生き返ってくれたんだね! よかったぁ~。これで、ジェラルドと結婚できるよ!」
「あなたに、そんな資格はなくてよ」
「どうして? 姉様を蘇らせたら妻にしてくれるって、殿下が約束してくれたのに!」

 だが、こちらは残念ながらリナリアと同じ気持ちにはなれなかった。
 彼女が犯した罪の重さを、誰よりも実感しているからだ。
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