バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「ん……っ!」

 今まで一番、身体が熱い。
 ダグラスが欲しくて堪らないのは、どうしてなのだろう?
 もう、救済の歌姫としての力を使わなくて済むと安堵したから?
 それとも――。
 彼に抱きしめてほしいと、心の底から望んでいるせい?

「ダグ、ラスぅ……っ!」
「ああ。ここにいる」
「も……っ。自分では、どうしようもできませんの……!」

 早く唇を塞いでほしい。
 素面だったら絶対にしないであろうおねだりをすれば、ダグラスは性急な動作で唇を塞いだ。

 最初は触れるだけの優しい口づけが、互いを貪り食らう激しい接吻へと変化する。
 副作用による身体の火照りは薄れたが、その先に得られる幸福を知っている身体は、唇を触れ合うだけでは満足などできるはずがない。

「ダグラス……っ」
「ああ。君が望むなら、俺の全身全霊をかけて愛し尽くそう」

 夫は満足げにそう微笑むと、待っていましたと言わんばかりに寝台へ押し倒したのだった……。
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