バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「後悔など、絶対にさせない」

 彼はもしかしたら、誠心誠意思いを伝えれば届くはずだと信じているのかもしれない。

「あなたは何か、勘違いをなさっているようですけれど……」

 私はその勘違いを正すため、言葉を尽くした。

「私と殿下は、元々家同士が決めた許婚同士でしたの。彼の告白により、思いを通じ合わせて婚約者になったんですわ」
「だが、あの男は君よりも妹を選んだ。関係は破綻している」
「婚約破棄も、当人同士の一存ではできないんですの。それくらい、貴族の御子息なら説明されなくたってお分かりになりますわよね?」

 ダグラスの求婚を素直に受け入れたところで、王家の了承が得られなければ無意味だ。
 それを懇切丁寧に説明したところで、彼は自身の意思を曲げなかった。

「俺が証人になると言っている」
「あなたの手など、借りる必要はなくてよ」
「君の力になりたいんだ」
「見返りに私と結婚させてほしいとお父様に頼むつもりなのは、わかっていましてよ。あなたの目論見には、引っかかりませんわ!」

 胸元で両腕を組んで全身で拒否をすると、ようやく我が公爵家の馬車が見えてきた。
 扉の前には、ラルラの姿がある。
 彼女は見知らぬ青年を視界に捉え、不思議そうに声を発した。
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