バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「わかった。ゼヴァイツ公爵家と相談してから、結論を出そう」
「お父様! 正気ですの!?」
「彼はまだ幼い。それに、ルリミカと同じ公爵家の御子息だ。護衛騎士として雇うのは、あまりにも異例すぎる。友人、あるいは婚約者として、外出時に付き添ってもらうか……」
「私は、絶対に反対ですわ!」

 私は当然、その決断に同意などできるはずがない。
 絶対に嫌だと声を荒らげたが、父親は駄々を捏ねる子どもをあやすように優しい声で諭す。

「ルリミカ……。彼は、危ないところを助けてくれたんだぞ。お礼くらい言いなさい」
「頼んでませんもの! あれくらい、1人でどうとでもできましてよ!」

 胸の前で腕を組み、視線を外す。
 その様子を目にしたお父様は、申し訳なさそうに謝罪をした。

「申し訳ない。長女は少々、性格に難があってだな……」
「いえ。こうした姿も、大変愛らしいです」

 最悪な態度を取っているにもかかわらず、褒められるなど思いもしない。
 私は思わず、正気を疑ってしまった。
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