バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「よくもまぁ飽きもせず、我が家にやってきますのね。あなた、案外暇人ですの?」
「それはあの男に言ってくれ。俺は未来の夫として、君を守る義務がある」
「私はまだ、あなたを未来の夫と認めたわけではなくてよ」
「ああ。そうだな」

 過保護なダグラスは、自分の見ていないところで私と婚約者がトラブルを起こすのではないかと不安で仕方がないようだ。
 最近では、中庭でいちゃつき交流を深めるジェラルドとリナリアの姿を、2人で一緒に客間の窓から観察するのが日課となりつつあった。

「あなた。この状況を、どう思っておりますの?」
「毎日のようにルリミカと同じ空間にいられるなど、幸せすぎてどうにかなりそうだ……」
「私はまだ、殿下との婚約を継続したままですのよ?」
「あとは、俺だけの歌姫になってさえくれたら文句はない」
「私の話を、きちんと聞いてくださる?」

 毎日のように繰り返される噛み合わない会話に飽き飽きとしながら、私は彼を睨みつけた。
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