【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
ギルフォードたちは、少し戻ったところにある貴族の屋敷に身を寄せていた。
メレディスとともに部屋に入ると、ベッドに座る『エメリア』をフレンたちが囲んでいた。
控えるメレディスの手にあるビンの中から、それを眺める。
『あれは、村の人たちみたいに、操られているとかでは……』
「いえ、あれは、間違いなくエメリア様自身です」
メレディスが断言する。
身体を乗っ取る悪い妖精たちの思惑は失敗した。
エメリアの中にもう一つ、魂があったから。
儚くかよわい公爵令嬢。あれは……おそらく本来の『エメリア』だ。
(じゃあ、『私』は……?)
ぞくりとする。
少し考えていたのだ。自分には公爵令嬢の記憶も、前世の記憶もあるけれど、ではそれは何者なのかと。
もともとこの物語に紛れ込んだ異物だ。あっさりと身体を追い出されたのがその証に思える。
「少し状況を確認してくる」
「いってらっしゃいませ」
『エメリア』に声をかけて、ギルフォードが騎士とともに部屋を出た。
イヴァンも、異変を察知して自分の馬車を飛び出してきたようで、連れの者を呼びに行っているようだ。
ベッドに座る『エメリア』はどこかぼんやりした表情をしている。
ビンの中でエメリアは顔をうつむかせた。
(私……いる必要はあるのかな)
自分がいなくとも、身体はちゃんと機能している。
ギルフォードもフレンも心配ない。
これが本来の形なのだとしたら……。
そこでフレンが心配そうに『エメリア』に声をかけた。
「おかあさま、あのね」
(フレンにとっても、本物の母親のほうが……)
パン、とふいに叩く音がしてエメリアは顔を上げた。
「……おかあ、さま?」
フレンが『エメリア』を前に硬直していた。
その愛らしい白い頬が、じわりと赤くなっていく。
メレディスとともに部屋に入ると、ベッドに座る『エメリア』をフレンたちが囲んでいた。
控えるメレディスの手にあるビンの中から、それを眺める。
『あれは、村の人たちみたいに、操られているとかでは……』
「いえ、あれは、間違いなくエメリア様自身です」
メレディスが断言する。
身体を乗っ取る悪い妖精たちの思惑は失敗した。
エメリアの中にもう一つ、魂があったから。
儚くかよわい公爵令嬢。あれは……おそらく本来の『エメリア』だ。
(じゃあ、『私』は……?)
ぞくりとする。
少し考えていたのだ。自分には公爵令嬢の記憶も、前世の記憶もあるけれど、ではそれは何者なのかと。
もともとこの物語に紛れ込んだ異物だ。あっさりと身体を追い出されたのがその証に思える。
「少し状況を確認してくる」
「いってらっしゃいませ」
『エメリア』に声をかけて、ギルフォードが騎士とともに部屋を出た。
イヴァンも、異変を察知して自分の馬車を飛び出してきたようで、連れの者を呼びに行っているようだ。
ベッドに座る『エメリア』はどこかぼんやりした表情をしている。
ビンの中でエメリアは顔をうつむかせた。
(私……いる必要はあるのかな)
自分がいなくとも、身体はちゃんと機能している。
ギルフォードもフレンも心配ない。
これが本来の形なのだとしたら……。
そこでフレンが心配そうに『エメリア』に声をかけた。
「おかあさま、あのね」
(フレンにとっても、本物の母親のほうが……)
パン、とふいに叩く音がしてエメリアは顔を上げた。
「……おかあ、さま?」
フレンが『エメリア』を前に硬直していた。
その愛らしい白い頬が、じわりと赤くなっていく。