【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
「フレン様、外に行きましょうか」
「……、はい」

 フレンはちらりと『エメリア』に視線を向けたが、彼女は一切振り向かない。

 それを見てフレンはメレディスにうながされるまま廊下に出た。

「……おかあさまに、きらわれてしまいました。…… フレンのせいで、危ない目にあったから」

 そうフレンが言葉をこぼす。
 うつむく彼女の前に膝をついたメレディスが、その頬を手で冷やした。

「そんなことはありません、エメリア様はご気分が優れないだけです」

(そうよ、嫌いになんてなるわけがない)

 しかし、強く押し込まれているのかコルクはどうしても外れない。
 ぐしぐしと涙をぬぐったフレンは、けなげに笑った。

「わたしはいいので、メレディスさんはおかあさまについてあげてください」

 そう言って、フレンは去っていった。


「……メレディス」
「はい」

 このまま消えてやろうと思ったが前言撤回だ。
 可愛い我が子を泣かせた罪は償ってもらう。
 これが筋書き通りというならそんなものぶち壊すまでである。

「エメリア本体だろうがなんだろうが、フレンに手をあげるような奴は放っておけないわ。対処する手伝いをしてくれる?」
「もちろんです」

 頷いて、メレディスは首を傾げた。

「あちらもこちらもエメリア様ですけどね」
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