【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
 景色が揺らいで目が眩み、エメリアは一瞬目を閉じた。

 次に瞼を開くと……目の前に、子どもたちを抱く『エメリア』と、それを抱きしめるギルフォードの姿があった。

(え)

 持ち上げた自分の手は、向こうが見えるほど透けている。

(なに……これ)

『驚イタ』

 近くで、ノイズまみれのしゃがれた声がした。

 振り返ると、そこには黒い蛙の姿がある。悪い妖精だと、なぜか本能的に察した。

『魂を追い出して身体ヲ乗っ取ろうと思ったノニ……まさか、魂が二つあるトハ』

 そう言って黒い蛙が身をひるがえすのと、皆に囲まれている『エメリア』が顔を上げるのが、同時だった。
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