策士な財閥ホテル王は政略妻との初恋を実らせる
 お互い裸になり、肌を密着させる。

 部屋には複数の水音が響いていた。

 キスをしながら秘部に触れられ達する初めての感覚に、つま先が甘く痺れる。

「大丈夫? 美雨」

 息も絶え絶えな私に、覆い被さった雪成さんが聞いた。

 戸惑って赤面すると、雪成さんは微笑みながら見下ろす。

「美雨のここは、もっとしてほしそうだけど」 

「さ、さっきから雪成さん、ずるいです……」

 呼吸を整え、かすれた声で伝えた。

「それに意地悪だし。私は初めてだから、いっぱいいっぱいなのに……」

 上気した顔を背ける。

 少しだけ目尻に涙が浮かぶのは、悲しいわけではないとわかっていた。

 たぶん私は雪成さんに惹かれていて、今結ばれそうになっている状況に高揚している。

「ごめん。美雨があまりにもかわいいから、加減できなくて」

 雪成さんは私の手を掴むと、手の甲にチュッとキスをする。

 火傷するのではと思えるほど唇が熱かった。

「だが、ずるいと思われてもいい。きみを手に入れられるなら」

 せつなげな眼差しに胸がきしんだ。

 雪成さんも、私と同じ気持ちなのかなと期待してしまう。

 お祖母様とも縁があるただの政略結婚の相手ではなく、私をひとりの女性として見てくれているのかな。

 そうだったらいいのに……。

「んっ……!」

 下腹部が圧迫され、耳もとに相手の熱い吐息がかかる。

 呼吸の乱れに色情が増し、窮屈な痛みは次第に快楽へと変わる。

 その夜、私は雪成さんとひとつになった。
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