アンコールはリビングで
13 リビングの戦闘服
1. 火曜日の重力
夕食を終え、バスタブで一日の疲れを洗い流した後の、至福の時間。
まだ髪が少し湿ったまま、私はリビングのソファに腰を下ろした。
手には化粧水のボトル。これから念入りなスキンケアタイムだ。
ふと時計を見ると、時刻は21時55分。
あと5分で、私たちの「火曜日の儀式」が始まる。
「……お、もうすぐだな」
キッチンから冷蔵庫を閉める音がして、湊が戻ってきた。
手には炭酸水のボトル。
すでにスウェット姿でリラックスモード全開の彼は、迷うことなくソファへ向かってくる。
そして、当然のように私の太ももに頭を預け、コロンと横になった。
「……重い」
「いーじゃん、減るもんじゃなし」
湊は悪びれもせず、私の膝の上でスマホを操作し始めた。
国民的スターの頭部が、私の太ももの上で無防備に転がっている。
世の女性が見たら卒倒しそうな光景だが、私にとっては日常の風景だ。
ただ、その重みだけは、確かに彼がここに「在る」ことを教えてくれる。
「……はいはい」
私は苦笑しながら、化粧水を手のひらに広げ、パシャパシャと顔に馴染ませる。
湊のサラサラとした黒髪が、私の指先に触れる。
少しだけ邪魔だけれど、その感触は悪くない。
テレビ画面が切り替わり、ドラマ『嘘つきAIと恋のバグ』のオープニング映像が流れ始めた。
アップテンポで都会的なメロディ。
映像の中で、高級スーツに身を包んだ湊……いや、佐伯怜司が、冷徹な視線をこちらに向けている。
夕食を終え、バスタブで一日の疲れを洗い流した後の、至福の時間。
まだ髪が少し湿ったまま、私はリビングのソファに腰を下ろした。
手には化粧水のボトル。これから念入りなスキンケアタイムだ。
ふと時計を見ると、時刻は21時55分。
あと5分で、私たちの「火曜日の儀式」が始まる。
「……お、もうすぐだな」
キッチンから冷蔵庫を閉める音がして、湊が戻ってきた。
手には炭酸水のボトル。
すでにスウェット姿でリラックスモード全開の彼は、迷うことなくソファへ向かってくる。
そして、当然のように私の太ももに頭を預け、コロンと横になった。
「……重い」
「いーじゃん、減るもんじゃなし」
湊は悪びれもせず、私の膝の上でスマホを操作し始めた。
国民的スターの頭部が、私の太ももの上で無防備に転がっている。
世の女性が見たら卒倒しそうな光景だが、私にとっては日常の風景だ。
ただ、その重みだけは、確かに彼がここに「在る」ことを教えてくれる。
「……はいはい」
私は苦笑しながら、化粧水を手のひらに広げ、パシャパシャと顔に馴染ませる。
湊のサラサラとした黒髪が、私の指先に触れる。
少しだけ邪魔だけれど、その感触は悪くない。
テレビ画面が切り替わり、ドラマ『嘘つきAIと恋のバグ』のオープニング映像が流れ始めた。
アップテンポで都会的なメロディ。
映像の中で、高級スーツに身を包んだ湊……いや、佐伯怜司が、冷徹な視線をこちらに向けている。