アンコールはリビングで
3. スパダリの正体
車内には、私の好きなBruno Marsの『Just the Way You Are』が流れている。
これも彼が用意してくれていたのだろうか。
流れる景色。心地よい揺れ。
首都高に入り、車はベイエリアを目指して走っていく。
「そういえば、さ、湊……」
「ん?」
「もしかして、朝イチで花束用意するために、休みの日に早起きして花屋さん行ってくれてたの……?」
冷静になって考えてみれば、あの真紅のバラ。
私が起きる前に用意されていたということは、彼は相当早く起きて準備したはずだ。
睡眠大好きな彼が、休日の朝に。
「……」
サングラスの奥で、彼の視線が一瞬私を捉え、すぐに前に戻った。
「……あ? 当たり前だろ」
「えっ」
「開店と同時に行かねぇと、変な花しか残ってねぇかもしれねぇし。……お前にやるもんだからな。一番いい状態のやつ渡してぇだろ」
彼はぶっきらぼうに、さも当然のことのように言い放った。
ハンドルを握る手はリラックスしているように見えるが、口元が少し尖っている。照れている証拠だ。
(……え、マジで……)
私の彼氏、どんだけスパダリなの……。
いつもは「眠い」「ダルい」って文句ばっかり言ってるのに、私のために早起きして、一番いい花を選ぶために開店待ちして……?
これがツンデレの極みなのか。尊すぎて胸が苦しい。
「……ありがと。一生大事にする」
「……枯れるから無理だろ」
「ドライフラワーにするもん」
「……勝手にしろ」
そっけない物言いだけど、その声は甘く震えている。
これ以上いじると自分の方がオーバーヒートしそうだと思ったのか、彼はパッと話題を変えた。
「……っ……ついたぞ!」
車内には、私の好きなBruno Marsの『Just the Way You Are』が流れている。
これも彼が用意してくれていたのだろうか。
流れる景色。心地よい揺れ。
首都高に入り、車はベイエリアを目指して走っていく。
「そういえば、さ、湊……」
「ん?」
「もしかして、朝イチで花束用意するために、休みの日に早起きして花屋さん行ってくれてたの……?」
冷静になって考えてみれば、あの真紅のバラ。
私が起きる前に用意されていたということは、彼は相当早く起きて準備したはずだ。
睡眠大好きな彼が、休日の朝に。
「……」
サングラスの奥で、彼の視線が一瞬私を捉え、すぐに前に戻った。
「……あ? 当たり前だろ」
「えっ」
「開店と同時に行かねぇと、変な花しか残ってねぇかもしれねぇし。……お前にやるもんだからな。一番いい状態のやつ渡してぇだろ」
彼はぶっきらぼうに、さも当然のことのように言い放った。
ハンドルを握る手はリラックスしているように見えるが、口元が少し尖っている。照れている証拠だ。
(……え、マジで……)
私の彼氏、どんだけスパダリなの……。
いつもは「眠い」「ダルい」って文句ばっかり言ってるのに、私のために早起きして、一番いい花を選ぶために開店待ちして……?
これがツンデレの極みなのか。尊すぎて胸が苦しい。
「……ありがと。一生大事にする」
「……枯れるから無理だろ」
「ドライフラワーにするもん」
「……勝手にしろ」
そっけない物言いだけど、その声は甘く震えている。
これ以上いじると自分の方がオーバーヒートしそうだと思ったのか、彼はパッと話題を変えた。
「……っ……ついたぞ!」