アンコールはリビングで
3. マネージャー・島崎との会話

午後21時過ぎ。

全ての撮影を終えた湊は、送迎車の後部座席に深く沈み込んでいた。

「……ふぅ。お疲れ様でした」

「早瀬くん、お疲れ様。今日は一日中撮影で大変だったね」

ハンドルを握るのは、デビュー当時から湊を支えるマネージャー、島崎優太(しまざき ゆうた)だ。

33歳で湊より年上の彼は、穏やかで頼れる兄のような存在。
凪の前ほどではないが、島崎の前では湊も少しだけ肩の力を抜くことができる。

「最近、新曲もドラマも好調ですごいよ。でも体調とか大丈夫? スケジュール結構詰まってるよね……」

赤信号で停車した島崎が、ルームミラー越しに気遣わしげな視線を投げてくる。

< 47 / 796 >

この作品をシェア

pagetop