アンコールはリビングで
「……っ、湊?」

すっぽりと彼の腕の中に収まる。
彼の心臓の音が、背中越しにトクトクと伝わってくる。

彼は私の頭に自分の頬を寄せ、少し体重をかけるようにして、静かに口を開いた。

「……最近、お前、ずっと仕事忙しいだろ?また前みたいに体調崩してほしくねぇんだよ……だから、これ、お守り代わりに選んでみた」

「お守り?」

「おう。店の人に聞いたんだけどよ、この光みたいな形……星っぽいだろ。星の形は『魔除け』とか『健康』とかって意味があるんだと」

彼は少しバツが悪そうに、でも真剣な声で続けた。

「お前、今年『厄年』だとか言ってビビってたじゃん。だから、まぁ……俺が四六時中ついててやれねぇ時は、こいつに守ってもらおうと思って」

(……嘘でしょ)

私は驚いて顔を上げ、至近距離で彼の瞳を見つめた。

私が「厄年怖い〜」とか「腸内環境が〜」とか騒いでいたのを、彼は茶化しながらも、全部真剣に受け止めてくれていたのだ。

ただのジュエリーじゃない。私の健康と無事を願って、意味まで考えて選んでくれた「お守り」。

(……う、わ……何それ。嬉しい。嬉しすぎる……)

視界がじわりと滲む。
胸の奥から熱いものが込み上げてきて、止められない。

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