アンコールはリビングで
4. 星の輝きと、守りたい想い

「こちらが今シーズンの新作になります。また、あちらは定番の人気コレクションでして……」

ショーケースの前で説明を受けるが、俺の耳にはあまり入ってこなかった。
なぜなら、俺の目は一つのジュエリーに釘付けになっていたからだ。

「……これ」

俺が指差した先にあったのは、プラチナのチェーンの先に輝く、一粒のネックレス。

光そのものを結晶化したような、四方向に鋭く伸びる「煌めき(クロススター)」の形。
中心には一粒のダイヤモンドが埋め込まれ、その周りを小さなメレダイヤが繊細に囲んでいる。

(……綺麗だ)

派手すぎず、でも強い意志を感じる輝き。
可愛らしさもあるが、それ以上に凛としていて、大人の女性に似合いそうなデザイン。

真っ直ぐで、強くて、でもどこか儚げな――凪そのもののように思えた。

「お目が高いですね。こちらは『エトワール・フィラント』……流れ星の輝きをモチーフにしたデザインです」

「……なるほど」

直感で「これだ」と思った。

でも、ここですぐに決めていいものか?
これはバレンタインのサプライズだ。失敗は許されない。もっと他にもいいものがあるかもしれない。

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