アンコールはリビングで
「いただきます」

「……いただきます」

彼が味噌汁を一口すする。
その瞬間、不機嫌そうだった眉間の皺が、ふわりと解けた。

「……あー、美味ぇ」

「でしょ? 今日のは昆布多めにしたの」

「……染みるわ。マジで」

彼は二口、三口と続けざまに口に運ぶ。
文句を言いながらも、結局、彼は私の作る地味な和食が大好きなのだ。

愛おしさがこみ上げて、私は頬杖をついて彼を見つめた。

「……ん? なんだこれ」

彼がご飯を口に入れて動きを止めた。

「なんか、すげぇ弾力あんだけど」

「あ、気づいた? もち麦入れてみたの。食物繊維が白米の20倍なんだって」

「……また変なもん入れやがって。ゴム食ってるみてぇだ」

湊はリスみたいに片頬を膨らませ、これでもかと不満げに眉間を寄せながら、それでももぐもぐと顎を動かしている。

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