アンコールはリビングで
「って、ちょっと待って! ここ、私の会社の近くだよ!?」
「おう。だから来たんだろ?」
「そうじゃなくて! 誰かに見られたらどうすんの!?」
私の会社では、彼氏がいることは話しているけれど、相手が誰かは絶対に秘密にしている。
もし今、残業帰りの同僚に見られたら。
『水沢さんの彼氏、めっちゃ背高くない?』
『あれ、早瀬湊に似てない?』
なんてことになったら、私の平穏な日常は崩壊する。
「やばい、誰か知ってる人来ないかな……早く行こう、湊!」
私がキョロキョロと挙動不審になっていると、横から「くっくっ……」と押し殺したような笑い声が聞こえてきた。
見上げると、湊が面白がった目で私を見下ろしている。
「……何笑ってんのよ! こっちは本気で心配してるんだから!」
「いや……お前の反応、面白すぎだろ。顔色変わりすぎ」
「もう! 人の気も知らないで!」
私が頬を膨らませて怒ると、湊は「はいはい、悪かったよ」と私の頭をポンポンと撫でた。
「大丈夫だって。今の俺、完全にオーラ消してるから」
「オーラって……」
改めて彼の姿を見る。
確かに、いつものキラキラした「早瀬湊」の覇気はなく、ただの背の高い怪しい男に見えなくもない。
「今の俺は、ただの怪しいお兄さんだからよ。誰も気づかねぇって」
「いや……不審者もそれはそれでまずいって(笑)」
「あ? 誰が不審者だよ」
私がくすりと笑うと、彼もマスクの下で楽しそうに目を細めた。
「おう。だから来たんだろ?」
「そうじゃなくて! 誰かに見られたらどうすんの!?」
私の会社では、彼氏がいることは話しているけれど、相手が誰かは絶対に秘密にしている。
もし今、残業帰りの同僚に見られたら。
『水沢さんの彼氏、めっちゃ背高くない?』
『あれ、早瀬湊に似てない?』
なんてことになったら、私の平穏な日常は崩壊する。
「やばい、誰か知ってる人来ないかな……早く行こう、湊!」
私がキョロキョロと挙動不審になっていると、横から「くっくっ……」と押し殺したような笑い声が聞こえてきた。
見上げると、湊が面白がった目で私を見下ろしている。
「……何笑ってんのよ! こっちは本気で心配してるんだから!」
「いや……お前の反応、面白すぎだろ。顔色変わりすぎ」
「もう! 人の気も知らないで!」
私が頬を膨らませて怒ると、湊は「はいはい、悪かったよ」と私の頭をポンポンと撫でた。
「大丈夫だって。今の俺、完全にオーラ消してるから」
「オーラって……」
改めて彼の姿を見る。
確かに、いつものキラキラした「早瀬湊」の覇気はなく、ただの背の高い怪しい男に見えなくもない。
「今の俺は、ただの怪しいお兄さんだからよ。誰も気づかねぇって」
「いや……不審者もそれはそれでまずいって(笑)」
「あ? 誰が不審者だよ」
私がくすりと笑うと、彼もマスクの下で楽しそうに目を細めた。