転生したので好きなことだけしていたら囲われました
新しい生活 ②
「シャーロットお嬢様、大変でございます!」
家族でハーブティーを楽しんでいると、侍女のミアが慌てた様子で駆け込んできた。
「ミア、落ち着いて。どうしたの?」
そう言いながら、私は彼女にもお茶を注いで手渡す。
ミアは年上で、普段は頼れるお姉さんのような存在だけれど、慌てると少し暴走しがちだ。
一口飲んで深呼吸したあと、彼女は言った。
「街のご婦人やご令嬢が、シャーロットお嬢様に会いたいと、邸宅の門前に集まっております」
「……集まって?」
思い当たる理由がなく、戸惑いながら門の方へ向かう。
門前に立った瞬間、思わず息を呑んだ。
田舎とは思えないほどの人だかり。
華やかな装いの女性たちが、門の前に集まっていた。
(これは……ミアが慌てるのも無理はないわね)
「本日は、どのようなご用件でしょうか……?」
控えめに問いかけると、噂好きで知られるご令嬢が一歩前に出た。
「こちらで“魔法の化粧水”が手に入ると聞きましたの」
「魔法の化粧水……?」
耳慣れない言葉に首を傾げる。
「庭師の奥様が使っている化粧水のことですわ。
あれを使い始めてから、肌の調子が見違えるほど良くなったと聞きましたのよ」
どうやら、私が試作した化粧水の噂が広がってしまったらしい。
最初は自分用に作ったものだったけれど、
お母様やスミスさんの奥様にもお渡ししたことがきっかけだったのだろう。
(……なるほど。良いものは、自然と広まってしまうのね)
これだけの人が求めているのなら、確かに需要は高い。
――商いになる可能性もある。
「確かに、そういった品はございます」
静かにそう告げると、ざわめきが広がる。
「では、すぐに譲っていただけますわよね?」
「申し訳ありません。
あれはまだ試作段階で、十分な品質とは言えません」
少し残念そうに、けれど丁寧に続けた。
「完成までお時間をいただけましたら、皆さまのお手元にお届けできると思います。
本日はどうか、お引き取りいただけますでしょうか?」
深く頭を下げると、女性たちは渋々ながらも納得し、帰っていった。
最後の姿を見送ったあと、私はスミスさんの裏庭へと足を向けた。
「スミスさん……これは、きっとあなたの技術が評価される機会です」
少し胸が高鳴る。
「もしよろしければ、一緒に形にしてみませんか?」
驚いた様子のスミスさんとともに、
私たちの小さな商いの話し合いが始まった。
――これが、
シャーロット・イリックとして歩む
最初の自分で選んだ一歩になった。
家族でハーブティーを楽しんでいると、侍女のミアが慌てた様子で駆け込んできた。
「ミア、落ち着いて。どうしたの?」
そう言いながら、私は彼女にもお茶を注いで手渡す。
ミアは年上で、普段は頼れるお姉さんのような存在だけれど、慌てると少し暴走しがちだ。
一口飲んで深呼吸したあと、彼女は言った。
「街のご婦人やご令嬢が、シャーロットお嬢様に会いたいと、邸宅の門前に集まっております」
「……集まって?」
思い当たる理由がなく、戸惑いながら門の方へ向かう。
門前に立った瞬間、思わず息を呑んだ。
田舎とは思えないほどの人だかり。
華やかな装いの女性たちが、門の前に集まっていた。
(これは……ミアが慌てるのも無理はないわね)
「本日は、どのようなご用件でしょうか……?」
控えめに問いかけると、噂好きで知られるご令嬢が一歩前に出た。
「こちらで“魔法の化粧水”が手に入ると聞きましたの」
「魔法の化粧水……?」
耳慣れない言葉に首を傾げる。
「庭師の奥様が使っている化粧水のことですわ。
あれを使い始めてから、肌の調子が見違えるほど良くなったと聞きましたのよ」
どうやら、私が試作した化粧水の噂が広がってしまったらしい。
最初は自分用に作ったものだったけれど、
お母様やスミスさんの奥様にもお渡ししたことがきっかけだったのだろう。
(……なるほど。良いものは、自然と広まってしまうのね)
これだけの人が求めているのなら、確かに需要は高い。
――商いになる可能性もある。
「確かに、そういった品はございます」
静かにそう告げると、ざわめきが広がる。
「では、すぐに譲っていただけますわよね?」
「申し訳ありません。
あれはまだ試作段階で、十分な品質とは言えません」
少し残念そうに、けれど丁寧に続けた。
「完成までお時間をいただけましたら、皆さまのお手元にお届けできると思います。
本日はどうか、お引き取りいただけますでしょうか?」
深く頭を下げると、女性たちは渋々ながらも納得し、帰っていった。
最後の姿を見送ったあと、私はスミスさんの裏庭へと足を向けた。
「スミスさん……これは、きっとあなたの技術が評価される機会です」
少し胸が高鳴る。
「もしよろしければ、一緒に形にしてみませんか?」
驚いた様子のスミスさんとともに、
私たちの小さな商いの話し合いが始まった。
――これが、
シャーロット・イリックとして歩む
最初の自分で選んだ一歩になった。