幼なじみ注意報
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始業チャイムの初めの一音が完全に響き渡る前。
セーフ、という尊の掛け声とともに戸口に立ったわたしと尊にクラスの視線が一気に集まる。
めっちゃ気まずい……。
「お……世良?朝から珍しいな……と、木咲か?」
「そー珍しく真面目に授業受ける気になってさ。俺たち2人の出席取る前でしょ、見逃して?」
「……お前なぁ、」
「この間のテスト。平均点低い中でなかなかの点数取れたと思うんだけど?次は、どうなるかな?」
「あー…そういう、─…仕方ない。今回だけだ。さっさと座れ世良、木咲」
「やった。先生ありがと」
「……すみません」
うわぁ……数字で黙らせたよ。
成績総合1位という看板を餌に次のテストで先生の教科だけ悪くして印象悪くする気ですよって言外に示してた。怖い。
そのままスルスルと机の合間を縫ってわたしは廊下側の前から3番目、尊は窓側1番後ろの自分の席にそれぞれ着く。
「揃ったし、授業始めるぞー」
先生の声を軽くBGMに、机から教科書類を取り出す。
1時間目は英語。
表紙の文字をなぞりながら、授業に置いていかれないように急いでノートを開く。