日向家の諸事情ですが。
これはワケアリすぎる…。
わたし自身もワケアリだけど、こんな扱いは絶対ぜーったいよろしくなーーい!!
「なにこれ」
「し、シチュー…で、ございます」
「シチュー?ふーん、聞いたことくらいはあるかも」
「えっ!食べたことないの…!?冬に食べる心温まる食卓の味なのに…!!」
「食卓の味?おれたちからいちばん遠いやつじゃん。それに今って6月だし」
まさかだった。
必需品や着替えを詰め込んだキャリーケースに市販のルーが入っていたとは。
シチュー。
簡単に言うと、それはわたしの大好物。
わたしの家もメイド界では有名な家系らしいけれど、わたしは昔からシチューだけは市販の固形ルーって決めているのだ。
「…これさ、ご飯と合う?明らかにホワイトソースじゃんか」
「合う合うっ!騙されたと思ってぜひ!」
「じゃあ嘘だったら明日おれの椅子になってもらうから」
「はいっ!……あぁん??」
「いただきまーす」