日向家の諸事情ですが。




「ど、どういうこと…?し、死んでるって…、亡くなってるの……?」


「いや?一応物理としては生きてる」



まだ名前も教えてもらっていない約2名が、この日向兄弟にはいるのだ。


本当は今日、全員に会えると思っていた。

それぞれに挨拶をして、名前を教えて知ってもらって、そんなありふれたコミュニケーションだけは得意なわたしだから。



「まあ簡潔に言うとさ。次男は唯一この家に縛られてない…孤独な自由人。それで末っ子は……」


「やめろ楓。どうせ近々やめていくメイドに話したところで意味ねえだろ」


「…そっか、そーだった、うん。ごめんちょっと喋りすぎた」



シチュー、冷めちゃうよ。

ねえ、シキのアニキ。

せっかくおかわりしたんだから、熱いうちに食べたほうが美味しいよ。



「まあ気にしないで。どの家庭にも家庭の事情ってもんが───」


「はーっ。…ねっむ」


「っ!……ウワサをすれば帰って……きた」



< 22 / 65 >

この作品をシェア

pagetop