日向家の諸事情ですが。
「ど、どういうこと…?し、死んでるって…、亡くなってるの……?」
「いや?一応物理としては生きてる」
まだ名前も教えてもらっていない約2名が、この日向兄弟にはいるのだ。
本当は今日、全員に会えると思っていた。
それぞれに挨拶をして、名前を教えて知ってもらって、そんなありふれたコミュニケーションだけは得意なわたしだから。
「まあ簡潔に言うとさ。次男は唯一この家に縛られてない…孤独な自由人。それで末っ子は……」
「やめろ楓。どうせ近々やめていくメイドに話したところで意味ねえだろ」
「…そっか、そーだった、うん。ごめんちょっと喋りすぎた」
シチュー、冷めちゃうよ。
ねえ、シキのアニキ。
せっかくおかわりしたんだから、熱いうちに食べたほうが美味しいよ。
「まあ気にしないで。どの家庭にも家庭の事情ってもんが───」
「はーっ。…ねっむ」
「っ!……ウワサをすれば帰って……きた」