日向家の諸事情ですが。




「なに、この白い液体」


「あ…、今日のご飯。ハナちゃんも食べるようなら……」


「まっず。味うっす」



食べてるじゃん、知らないやつが作ったシチュー。

残念だったね生意気ばかやろうめ。


楓くんのシチューを勝手にひと口運んで、また馬鹿にしたようにわたしに一瞬だけ移された視線。


ハナちゃん。
そう、楓くんは確かに言った。



「顔もジミで身体もヒンソー、おまけにメシマズ。さすがに金が有り余ってたとしても俺はこんなのに払いたくないな。どんなギャンブルだよ」



かなり、とんでもなく、蔑まれたことだけは。

どんなギャンブルだったとしてもわたしのような女に金は賭けたくない、と。



「俺ちょっと寝るから。もし物音でも立てて睡眠の邪魔してきたら殺す」



きれいな花には毒がある。


絶対にそうだ。

この男が噂だらけのクセつよ4兄弟、生意気バカ次男坊───日向 葉奈(ひゅうが はな)、17歳。


かわいい名前と顔立ちに騙されちゃいけない要素たっぷりだ。



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