利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
「先輩?」
どうしたのだろうと、横目で隣を伺う。彼はこちらを見ないまま話し始めた。
「兄がひとりいるんだ」
唐突な語りだしだったが、口を挟まずうなずきながら聞き役に徹する。
「来年には大学を卒業するんだけど、将来は父の会社を継ぐと決まっていて。もちろん、本人もそれを望んでいる」
家柄までいいとはと、密かに驚く。
「次男の俺はその補佐をするのもいいし、自分の好きな道を選んでもいいと言われている。それは見放されているとかではなくて、兄も含めて家族は本心でそう思っている。兄からは、俺が会社を継ぎたいのなら話し合おうとまで気遣われて」
ここまでプライベートな話を、単なる知り合いにすぎない私が知ってしまっても戸惑う。でも、先輩の聞いてほしいという雰囲気を感じてそのままでいた。
「俺さあ、小さい頃に連れていかれた航空ショーで、戦闘機に乗る航空自衛官に憧れたんだ。将来は自分も自衛官になりたいと、そのときに決めて。だけど、家のことをすべて兄ひとりに任せていいのかという迷いもある」
足もとに視線を落とした先輩を、密かに覗き見る。その表情は、苦悩に沈んでいた。
「兄の助けになるべきじゃないか。そんな迷いが捨てられない」
そのお兄さん自身も、先輩の夢を応援してくれているという。
どうしたのだろうと、横目で隣を伺う。彼はこちらを見ないまま話し始めた。
「兄がひとりいるんだ」
唐突な語りだしだったが、口を挟まずうなずきながら聞き役に徹する。
「来年には大学を卒業するんだけど、将来は父の会社を継ぐと決まっていて。もちろん、本人もそれを望んでいる」
家柄までいいとはと、密かに驚く。
「次男の俺はその補佐をするのもいいし、自分の好きな道を選んでもいいと言われている。それは見放されているとかではなくて、兄も含めて家族は本心でそう思っている。兄からは、俺が会社を継ぎたいのなら話し合おうとまで気遣われて」
ここまでプライベートな話を、単なる知り合いにすぎない私が知ってしまっても戸惑う。でも、先輩の聞いてほしいという雰囲気を感じてそのままでいた。
「俺さあ、小さい頃に連れていかれた航空ショーで、戦闘機に乗る航空自衛官に憧れたんだ。将来は自分も自衛官になりたいと、そのときに決めて。だけど、家のことをすべて兄ひとりに任せていいのかという迷いもある」
足もとに視線を落とした先輩を、密かに覗き見る。その表情は、苦悩に沈んでいた。
「兄の助けになるべきじゃないか。そんな迷いが捨てられない」
そのお兄さん自身も、先輩の夢を応援してくれているという。