利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
ここでもし本当の夢を断念したら、今度はお兄さんが苦しむんじゃないか。
「先輩」
衝動的に声をかけると、彼はようやく私の方を向いた。
「自衛官として国を守るのは、拡大解釈をしたらお兄さんを守るってことですよ」
暗い顔をしてほしくない。そんな気持ちから、空元気のようになってしまう。
偉そうかもしれないけれど、どうしても先輩に言っておきたかった。
「好きなことを仕事にできるって素敵じゃないですか!」
後継ぎについて話し合うと言えるお兄さんに、自由にしていいと許してくくれるご家族。先輩の周りは思いやりに溢れている。
きっと彼も、それに気づいているのだろう。
けれど先輩はそれ以上に優しくて気遣い屋だから、こうやって悩んでいるのだろうと思う。
上手く言えないけれどそんなことを力説した私に、彼は驚いたように目を見開いた。
それから最後は眉を下げて少し困ったような顔になってしまったが、私の言葉を不快に感じているわけではないのはわかる。
「はは。そうか。自衛官になれば、兄を守れるんだな」
いつもは硬派な先輩が、そう言いながら見せた笑みはどこか幼くて、私は再び胸を高鳴らせていた。
「先輩」
衝動的に声をかけると、彼はようやく私の方を向いた。
「自衛官として国を守るのは、拡大解釈をしたらお兄さんを守るってことですよ」
暗い顔をしてほしくない。そんな気持ちから、空元気のようになってしまう。
偉そうかもしれないけれど、どうしても先輩に言っておきたかった。
「好きなことを仕事にできるって素敵じゃないですか!」
後継ぎについて話し合うと言えるお兄さんに、自由にしていいと許してくくれるご家族。先輩の周りは思いやりに溢れている。
きっと彼も、それに気づいているのだろう。
けれど先輩はそれ以上に優しくて気遣い屋だから、こうやって悩んでいるのだろうと思う。
上手く言えないけれどそんなことを力説した私に、彼は驚いたように目を見開いた。
それから最後は眉を下げて少し困ったような顔になってしまったが、私の言葉を不快に感じているわけではないのはわかる。
「はは。そうか。自衛官になれば、兄を守れるんだな」
いつもは硬派な先輩が、そう言いながら見せた笑みはどこか幼くて、私は再び胸を高鳴らせていた。