利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
「……本気、ですか?」

 もちろんだとうなずき返されて、あらためて彼の提案をよく考えてみる。

 祖母にはずいぶん心配をかけてしまったのはわかっている。従兄やその奥さんにも事情は明かしてあり、いつも私を気にかけてくれる。

 急展開かもしれないが、私が結婚したいと言ったら皆は安心してくれるだろうか。
 昔から好きだった人と再会して……なんて少し話を盛れば理解も得やすいかもしれない。というか実際に憧れていたんだから、あながち嘘にはならない。

 おまけに、東坂さんはどこからどう見ても誠実そのもの。自衛官という職業も、信頼につながるだろう。

 そして私と結婚することで彼を助けられるのなら……悪くはない?

 考えてみれば、急すぎる以外の反対要素が見つからなかった。

「その……私で、いいんですか?」

「俺は、君だから提案したんだ。こんな話、誰かれかまわずするわけがない」

 その言い方はずるい。まるで彼が私に絶対的な信頼を寄せてくれているようだ。

 東坂さんなら大丈夫。きっと私にとって悪いようにしないはず。

「わかりました。このお話、引き受けさせてください」

 迷いを振り切ってそう答えると、彼は安堵したように微笑んだ。


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