利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
 キッチンに引き返して、朝食の後片づけをしながら数日前のことを思い出す。

 私が契約結婚を承諾すると、雅樹さんはすぐに祖母に挨拶に来てくれた。

『彼女が理不尽に傷つけられたことを知って、許せなかったんです。これからは、私が雪乃さんを守っていきます』

 律儀で誠実な彼は、私の話を聞いて本気で怒っていた。それは祖母にもしっかり伝わっている。
 昔の知り合い程度の他人の話にもかかわらず、そこまで思ってくれることが本当にうれしかった。

『雪乃ちゃんに、こんな立派なお相手がいたなんて』

 かなり驚かせてしまったが、高校時代の先輩だと知ると祖母は警戒をすぐに解いた。
 自衛官という職業のイメージも大きかったかもしれないが、彼の誠実な態度を信頼してくれたようだ。

『よかったよ。本当に、よかった』

 うつむいてしまった祖母の声は、かすかに震えていたた。

 ここまで心配をかけてしまったことが本当に申し訳ない。
 普通の結婚とは違うかもしれないけれど、雅樹さんと一緒にいるのは昔も今も心地よくて、私はこの関係を納得している。
 だから祖母をさらに安心させてあげるためにも、雅樹さんと良好な関係を築いていきたい。

 そう心に決めると、自然と前向きな気持ちになれた。

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