利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
「職場の人たちがレシピを教えてくれるの。これ、ルーを使っていないんだよ。野菜もたっぷり入っているし」

「へえ、それはすごい」

「雅樹さんは国のために体を張った仕事をしているから、食事面でサポートができたらって思って勉強中なんだよ。それに、疲れて帰ってきた自宅が暗く寒い場所だなんて私が嫌なの。家のことは、遠慮なく私に任せてほしい」

 わずかに目を見開いた雅樹さんが、それからくしゃりと相好を崩してくすぐったそうに笑う。

「そうか。ありがとう」

 面と向かってお礼を言われると、なんだか照れくさくなる。

「調味料とかいろいろそろっていたし、雅樹さんも料理をするんでしょ?」

 ごまかすように話題を逸らせた。

「簡単なものだけどな」

「一度でいいから、雅樹さんの手料理を食べてみたい!」

「かまわないが、期待するほどじゃないぞ。ああ、そうか。今度、一緒に作ろうか」

 そんな場面を想像して、なんともむず痒い気持ちになる。雅樹さんとなら、きっと楽しい時間になるのだろう。

「それ、いい!」

 結婚してからというもの、過去を思い出して落ち込んでいる暇がない。雅樹さんはいつだって、私を楽しい気持ちにさせてくれる。

「じゃあ、次の休みは一緒に料理だな」

「はい!」

 前のめりで返事をした私に、彼は小さく笑った。
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