利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
 待ちに待った週末。
 今日は一日中、彼と一緒に過ごす予定だ。

 少しそわそわしてしまうけれど、それが決して不快ではない。むしろ安堵しているというか、雅樹さんがいてくれるというだけで無条件に心強い。

 もしかして彼は、不在がちなことを気にしているのかもしれない。

 仕事のないときの雅樹さんは、私と過ごす時間を作るようにしてくれる。先日はふたりで映画を見に行ってきたし、私が買い物へ行くと言えば必ず一緒にきて率先して荷物を持ってくれる。

 契約の関係なんだから、ここまでする必要はないのかもしれない。でも一緒に出掛ける時間は楽しくて、私も素直に受け入れている。

 気がかりなのは、これで彼がちゃんと休めているかということ。
 疲れているのでは?と尋ねてみたが、『雪乃と一緒にいる時間が心地いいから』と、反応に困るようなことを言われてしまった。

 たしかにふたりでいるときに話が弾むし、沈黙しても気まずくない。

 ただ彼の言葉は真っすぐすぎて、いろいろと勘違いしそうになる。

『雪乃の隣では、自然体でいられる』
『雪乃と再会できて、本当に幸運だった』

 そこに特別な感情が込められているのかと、言われるたびにドキリとさせられる。
 
 ふたりでランチを作る約束をしていた今日を、ずっと楽しみにしていた。すっかり興奮していたのか、昨夜は上手く寝付けなかったほどだ。

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