利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
「自炊していると言っても、俺が食べるだけだったから適当なものばかりだぞ」

「たとえば?」

 朝食を済ませたところで、ランチのメニューを考える。これが決まったら、ふたりで買い出しに行く予定だ。

「親子丼にカレーだろ。それから野菜炒めに……」

 体づくりのために、蒸し鶏を使った副菜を用意することが多いという。あとは食べたいものを作っていたようだ。

「それなら、お昼だし簡単に生姜焼き丼なんてどう?」

 彼が挙げたいくつかのメニューの中からリクエストする。
 野菜をたっぷり使ったお味噌汁を副菜に用意すれば、それで立派な一食になりそう。鶏肉は夕食で取り入れたらいいかな。

「よし、じゃあ買いに行くか」

 メニューが決まり、ふたり連れ立ってスーパーに歩いて向かう。

「なんか雅樹さんとこうして一緒にいるなんて、今でも信じられないな」

「まあ、偶然が重なったから叶ったことだな。自分は幸運だったと思う」

 彼はもちろん、職場に結婚の報告をしている。そのため、お見合いの話を持ち掛けられることはもうない。

「学生の頃に雪乃と一緒にいた時間は、俺にとって印象深い出来事だったんだ。卒業してからもこれまで、雪乃の存在はずっと心の中に残っていた」

 思わせぶりにも聞こえるが、きっとこれも深い意味はないのだろう。

 隣を歩く雅樹さんを見上げる。

 たしかに、彼と過ごした時間は私にとっても思い出深い。
 あの頃の私は、相手は二学年上の先輩だというのになかなか大胆な言動をしていたかもしれない。それを彼が許してくれるから、あれこれいろんな話をした。

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