利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
 祖母を安心させられてよかったが、心の中は複雑だ。

 私たち夫婦は、見せかけの関係だ。決して、友人以上の仲には発展しない。
 もちろん、祖母にひ孫を見せてあげる機会はない。それどころか、どちらかに想う人ができたら即解消する約束だ。

 あらためてふたりの関係性を考えると、ズキリと胸が痛む。雅樹さんとの生活が居心地よくて、手放しがたくなっているのかもしれない。

「もっと、そっけなくしてくれてもいいのに」

 祖母がいなくなったところで、ぼそりとこぼす。

 雅樹さんがそんな態度をとれる人ではないと、私だってわかっている。おまけに私はその優しさに救われているのだから、ずいぶん身勝手な考えだ。

「私は、自分にできることにするだけ」

 救ってくれた感謝を込めて、これからも雅樹さんの心地よい環境づくりに努める。それだけは絶対にブレないようにする。そう誓いを新たにして、ぐっと手を握りしめた。




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