利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
「渡したいものがあるんだ」
不意に立ち上がった彼が、私の方へ近づく。そうして隣で膝をつき、小さな箱を取り出した。
「俺と結婚してくれて、ありがとう。順番が逆になってしまったが、大切な妻にこれを贈りたい」
差し出されたのは、シンプルな指輪だ。
本当の夫婦ではないのに高価なものをもらっていいのだろうかと、指輪と彼の間で視線を往復させる。
「ほら。結婚をしたのに指輪のひとつも贈らないなど、俺を甲斐性なしの夫にしないでくれ」
私の迷いを感じたのか、そう言って彼は肩をすくめてみせた。
「いいの?」
「もちろんだ」
指輪をじっと見つめる。
あくまで子晴カモフラージュだとわかっているけれど、すごくうれしい。
それに、これでますます祖母を満足させられるかもしれない。
「ありがとう」
遠慮する気持ちはあるものの、お礼を伝えた途端に雅樹さんがうれしそうな顔をするからこれでいいのだと思える。
雅樹さんは私の左手をさっと取り、指輪をはめていく。
突然のことに反応できず、されるがままになる。次第に鼓動が速くなっていき、かたずをのんで様子を見守った。
「よかった。直す必要はなさそうだ」
私の左手を持ち上げた雅樹さんが、しげしげと見つめる。
触れられた手の温もりや彼の優しい笑みに、そわそわして落ち着かないし、頬が赤くなっていたらと恥ずかしくなる。
私はこんなにもうろたえているというのに、雅樹さんはいたっていつも通りだ……と思ったけれど、なんだか楽しそうな雰囲気かもしれない。機嫌よさげに、口角が上がっている。
不意に立ち上がった彼が、私の方へ近づく。そうして隣で膝をつき、小さな箱を取り出した。
「俺と結婚してくれて、ありがとう。順番が逆になってしまったが、大切な妻にこれを贈りたい」
差し出されたのは、シンプルな指輪だ。
本当の夫婦ではないのに高価なものをもらっていいのだろうかと、指輪と彼の間で視線を往復させる。
「ほら。結婚をしたのに指輪のひとつも贈らないなど、俺を甲斐性なしの夫にしないでくれ」
私の迷いを感じたのか、そう言って彼は肩をすくめてみせた。
「いいの?」
「もちろんだ」
指輪をじっと見つめる。
あくまで子晴カモフラージュだとわかっているけれど、すごくうれしい。
それに、これでますます祖母を満足させられるかもしれない。
「ありがとう」
遠慮する気持ちはあるものの、お礼を伝えた途端に雅樹さんがうれしそうな顔をするからこれでいいのだと思える。
雅樹さんは私の左手をさっと取り、指輪をはめていく。
突然のことに反応できず、されるがままになる。次第に鼓動が速くなっていき、かたずをのんで様子を見守った。
「よかった。直す必要はなさそうだ」
私の左手を持ち上げた雅樹さんが、しげしげと見つめる。
触れられた手の温もりや彼の優しい笑みに、そわそわして落ち着かないし、頬が赤くなっていたらと恥ずかしくなる。
私はこんなにもうろたえているというのに、雅樹さんはいたっていつも通りだ……と思ったけれど、なんだか楽しそうな雰囲気かもしれない。機嫌よさげに、口角が上がっている。