利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
 誕生日からひと月ほどが経ち六月になったが、梅雨のない北海道は涼しいくらいで過ごしやすい。

 帰宅した雅樹さんとの食事を終えて、リビングに移動して今日届いていた郵便物に目を通していく。その中に友人からのハガキを見つけて、手を止めた。

「なにか、いいことでもあったのか?」

 プリントされた生まれたばかりの赤ちゃんの写真に、つい表情が緩んでいたかもしれない。一緒に映る友人の手に比べて、なんて小さいのだろうとその可愛さに身もだえした。

「おととし結婚した友人に、赤ちゃんが生まれたって」

 彼に向けて、ハガキを見せる。

「はあ、かわいい」

「……そうか」

 その愛らしさに、目を奪われてしまう。

「お祝いは、なにを贈ろうかなあ」

 友人夫婦はお互いにひとりっ子だから、きっと両家のご両親が張り切ってベビー用品をそろえているだろう。
 それと被らないように、でも喜んでもらえるものをと、スマホで検索しながら思案する。

 少し大きくなってから使うものなら、さすがにまだ用意していないかな。もしくは、出産を頑張った友人へのご褒美のようなプレゼントもいいかもしれない。

 あれこれ悩んでしまい、決められる気がしない。

「ねえ、雅樹さん。なにがいいと思う?」

 ふと視線を上げると、彼は困ったような顔をしていた。

「そうだな。兄のところに子どもが生まれたときは、親子でおそろいのバスローブを贈ったな。兄が多忙で、育児はどうしても義姉さんひとりでこなすことが多くなる。だから、その手助けになるようなものをと」

「なるほど! それは考えつかなかった」

 さすが雅樹さんと感心しながら、再びスマホで検索を続けた。



< 38 / 91 >

この作品をシェア

pagetop