利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
プリントされた子どもの写真を見て、可愛いと連呼する雪乃。彼女は子ども好きなのか、頬を緩ませている。
祝いの品を選ぶのですら楽しそうな雪乃とは対照的に、後悔が押し寄せてくる。
この生活が続いてほしいなど、悠長なことは言っていられなかった。
俺では、友人のような幸せを彼女に与えて上げられない。当然だ、これは契約結婚なのだから。
離婚は早い方がいいのだろう。
そうすれば彼女は本当に愛する人を見つけて、その男との間に……と想像しかけて、そんなことは到底受け入れられないと身勝手ながらに怒りが湧く。
俺以外の男が彼女に愛をささやき、親密になるなど許せるわけがない。
まだ存在すらしない男の存在に、嫉妬心でどうにかなりそうだ。
そんな自身の胸の内に、いつの間にか雪乃を好きになってしまったようだと悟った。
大切な存在など作りたくないと、これまで頑なに結婚を拒んできた。
それは同僚だった男が任務で命を落とした際に、泣き叫ぶその家族を目にしたのが一番の理由だ。あんなふうに悲しませるくらいなら、家庭を持つべきではないと。
しかし雪乃と暮らすようになり、今なら上官が言っていた『帰る場所ができると、今よりもっと強くなれる』という言葉も素直に受け入れられる気がした。
彼女を悲しませることのないように、さらに強くなりたい。常に心配しているだろう雪乃のために、一分でも早く帰ってやりたい。そういった心境の変化も悪くない。
俺の愁いを払うのも信条を変えるのも、いつだって雪乃だ。
結婚を申し込んだ際は、ある程度の期間が過ぎたら想う相手の有無にかかわらず離婚をして彼女を開放するつもりでいた。
だが、それはもう無理だ。ほかの男に雪乃をゆだねるくらいなら、俺が彼女を幸せにしてやりたい。
幸いにも、俺たちは正式な夫婦だ。彼女の左手にはそろいの結婚指輪がはめられているのだから、変な虫もつかないだろう。
今俺が想いを打ち明けたところで、しばらく恋愛事は考えたくない彼女は拒否するに違いない。
雪乃を困らせるつもりはない。
彼女が心変わりしないよう、これからはもっと甘やかして俺を男として意識させていく。
そして、いずれこの気持ちを告げよう。
出産祝いを楽しそうに選ぶ雪乃を横目に、そう硬く決意した。
祝いの品を選ぶのですら楽しそうな雪乃とは対照的に、後悔が押し寄せてくる。
この生活が続いてほしいなど、悠長なことは言っていられなかった。
俺では、友人のような幸せを彼女に与えて上げられない。当然だ、これは契約結婚なのだから。
離婚は早い方がいいのだろう。
そうすれば彼女は本当に愛する人を見つけて、その男との間に……と想像しかけて、そんなことは到底受け入れられないと身勝手ながらに怒りが湧く。
俺以外の男が彼女に愛をささやき、親密になるなど許せるわけがない。
まだ存在すらしない男の存在に、嫉妬心でどうにかなりそうだ。
そんな自身の胸の内に、いつの間にか雪乃を好きになってしまったようだと悟った。
大切な存在など作りたくないと、これまで頑なに結婚を拒んできた。
それは同僚だった男が任務で命を落とした際に、泣き叫ぶその家族を目にしたのが一番の理由だ。あんなふうに悲しませるくらいなら、家庭を持つべきではないと。
しかし雪乃と暮らすようになり、今なら上官が言っていた『帰る場所ができると、今よりもっと強くなれる』という言葉も素直に受け入れられる気がした。
彼女を悲しませることのないように、さらに強くなりたい。常に心配しているだろう雪乃のために、一分でも早く帰ってやりたい。そういった心境の変化も悪くない。
俺の愁いを払うのも信条を変えるのも、いつだって雪乃だ。
結婚を申し込んだ際は、ある程度の期間が過ぎたら想う相手の有無にかかわらず離婚をして彼女を開放するつもりでいた。
だが、それはもう無理だ。ほかの男に雪乃をゆだねるくらいなら、俺が彼女を幸せにしてやりたい。
幸いにも、俺たちは正式な夫婦だ。彼女の左手にはそろいの結婚指輪がはめられているのだから、変な虫もつかないだろう。
今俺が想いを打ち明けたところで、しばらく恋愛事は考えたくない彼女は拒否するに違いない。
雪乃を困らせるつもりはない。
彼女が心変わりしないよう、これからはもっと甘やかして俺を男として意識させていく。
そして、いずれこの気持ちを告げよう。
出産祝いを楽しそうに選ぶ雪乃を横目に、そう硬く決意した。