利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
ここのところ彼の言動にやたら甘さが増したから、もしかして私に好意があるんじゃないかって勘違いしかけていた。
でも、実際はキス以上の関係を迫られたことなど一度もない。告白だってされていない。
過酷な任務に就く中、大人な彼だってプライベートな時間くらい誰かに甘えたくなるのかもしれない。それがここ最近の彼の言動の理由なのだろうか。
けれど仮初の妻でしかない私では、彼を完全には満たしてあげられない。
恋人だった西崎さんなら……と想像してしまうが、雅樹はそんな不誠実な人ではないと信じている。
私の知っている雅樹さんは、契約とはいえ婚姻関係にある状態で不貞など犯さないと思う。好きな人ができたのなら、まずは私に打ち明けて離婚をするようにお願いしてくるはず。
律儀で誠実な彼は、決して他人を傷つけるようなことはしないし、順番を間違わない人だ。
「ねえ、雪乃さん……だったかしら?」
わざわざ確認するように言うのは、私が取るに足らない存在だと示唆しているのか。彼女といると、思考がどんどん悪い方へと傾いていく。
それでもこの人の言い分だけで雅樹さんを判断したくないと、頭の中で必死に否定した。
「雅樹と別れて。彼を私に返してちょうだい」
「ま、雅樹さんは、物ではないです。彼からも話を聞かなければ、なにも答えられません」
私が反論したのが意外だったのか、西崎さんがわずかに表情をゆがめる。
「それをあなたが尋ねれば、そのときこそ雅樹に切り捨てられるんじゃないかしら。彼って優しいから、自分からはなかなか言い出せないのかもしれないわよ。でも、そうね。きっかけになるのなら、尋ねてみたらいいわ」
そんな言い方をされたら、本人に直接聞くことが怖くなる。
私のせいで雅樹さんがなにかを我慢するような事態にはしたくない。その半面、彼との別れを考えただけで胸がしめつけられる。
でも、実際はキス以上の関係を迫られたことなど一度もない。告白だってされていない。
過酷な任務に就く中、大人な彼だってプライベートな時間くらい誰かに甘えたくなるのかもしれない。それがここ最近の彼の言動の理由なのだろうか。
けれど仮初の妻でしかない私では、彼を完全には満たしてあげられない。
恋人だった西崎さんなら……と想像してしまうが、雅樹はそんな不誠実な人ではないと信じている。
私の知っている雅樹さんは、契約とはいえ婚姻関係にある状態で不貞など犯さないと思う。好きな人ができたのなら、まずは私に打ち明けて離婚をするようにお願いしてくるはず。
律儀で誠実な彼は、決して他人を傷つけるようなことはしないし、順番を間違わない人だ。
「ねえ、雪乃さん……だったかしら?」
わざわざ確認するように言うのは、私が取るに足らない存在だと示唆しているのか。彼女といると、思考がどんどん悪い方へと傾いていく。
それでもこの人の言い分だけで雅樹さんを判断したくないと、頭の中で必死に否定した。
「雅樹と別れて。彼を私に返してちょうだい」
「ま、雅樹さんは、物ではないです。彼からも話を聞かなければ、なにも答えられません」
私が反論したのが意外だったのか、西崎さんがわずかに表情をゆがめる。
「それをあなたが尋ねれば、そのときこそ雅樹に切り捨てられるんじゃないかしら。彼って優しいから、自分からはなかなか言い出せないのかもしれないわよ。でも、そうね。きっかけになるのなら、尋ねてみたらいいわ」
そんな言い方をされたら、本人に直接聞くことが怖くなる。
私のせいで雅樹さんがなにかを我慢するような事態にはしたくない。その半面、彼との別れを考えただけで胸がしめつけられる。