利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
「えっと、お時間は大丈夫なんですか?」
「今日は仕事が休みで、少し走っていただけだから」
「走って……って、もしかして!」
学生だった頃の彼との会話を思い出して、隣をパッと見る。
「航空自衛官になるっていう夢を?」
そうだとうなずく彼に、ますます気分が高揚した。
「すごいです! あの頃の夢を、本当に叶えたんですね」
まるで自分のことのようにうれしくて、はしゃいだ声になる。
「ああ。無事に航空自衛官になって、今は千歳基地に勤務している」
「さすが東坂さん。すごいなあ」
私と知り合った頃の彼は、実家の会社を継ぐお兄さんの補佐をするべきか、それとも航空自衛官になりたいという夢を追い求めていいのかと悩んでいた。
「それに比べて私は、プロのフルート奏者になりたいっていう夢を、周囲の説得であきらめちゃって」
情けないと、笑いが漏れる。
受験シーズ本番を迎えると、彼とは自然と顔を合わせる機会が減っていった。その後はどうしたのか、知らないまま。先に卒業した彼も、おそらく私のことを把握していなかっただろう。
「そうなんだ。小川さんは、ずっと北海道に?」
すっと笑みが消える。それに困惑する彼を、気遣う余裕はなかった。
「無理には聞かないが、なにか事情でもあるのか?」
気を使わせてしまって、申し訳なくなる。
顔をうつむかせた私を急かすことはなく、東坂さんはそのまま隣にいてくれた。
その優しい気遣いに、高校時代に一緒に過ごした時間を思い出していた。
「今日は仕事が休みで、少し走っていただけだから」
「走って……って、もしかして!」
学生だった頃の彼との会話を思い出して、隣をパッと見る。
「航空自衛官になるっていう夢を?」
そうだとうなずく彼に、ますます気分が高揚した。
「すごいです! あの頃の夢を、本当に叶えたんですね」
まるで自分のことのようにうれしくて、はしゃいだ声になる。
「ああ。無事に航空自衛官になって、今は千歳基地に勤務している」
「さすが東坂さん。すごいなあ」
私と知り合った頃の彼は、実家の会社を継ぐお兄さんの補佐をするべきか、それとも航空自衛官になりたいという夢を追い求めていいのかと悩んでいた。
「それに比べて私は、プロのフルート奏者になりたいっていう夢を、周囲の説得であきらめちゃって」
情けないと、笑いが漏れる。
受験シーズ本番を迎えると、彼とは自然と顔を合わせる機会が減っていった。その後はどうしたのか、知らないまま。先に卒業した彼も、おそらく私のことを把握していなかっただろう。
「そうなんだ。小川さんは、ずっと北海道に?」
すっと笑みが消える。それに困惑する彼を、気遣う余裕はなかった。
「無理には聞かないが、なにか事情でもあるのか?」
気を使わせてしまって、申し訳なくなる。
顔をうつむかせた私を急かすことはなく、東坂さんはそのまま隣にいてくれた。
その優しい気遣いに、高校時代に一緒に過ごした時間を思い出していた。