利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
翌日になり、出勤の準備をする。
仕事が休みだった雅樹さんは、私とともに祖母のもとを訪れた。
「――というわけで、しばらくの間は雪乃をこちらで預かってください」
西崎さんの話を聞いた祖母は、ひどく心配そうな顔になる。
「それは怖いわね。わかったわ」
その後、私が仕事をしている間に雅樹さんはあれこれ動いていたようだ。
祖母の家に帰宅をすると、しばらくしてやってきた彼が現状と今後について教えてくれた。
「警察と、以前世話になった弁護士にも連絡を入れた。相手方には厳重注意がされている。彼女の親族に、再び付き纏い行為を行わないように監視をさせる」
この辺りが妥当だろうけれど、それでも不安は残る。彼女は大人で、その身なりから自由に使えるお金も多いのだと思う。そんな相手を四六時中監視し続けるなんて不可能だ。
「来週には、夫婦そろって官舎に入居できるように手続きをしておいた。勝手に決めてしまって申し訳ないが、最速で引っ越すにはそれが一番だったから。家族で暮らしている一家が多いから、きっと賑やかだと思う」
「ありがとう。官舎なら、周りはみんな雅樹さんの職場の方ばかりでしょ? 自衛官の妻の心得とか、いろいろとお話を聞いてみたい!」
「そんな大げさなものはないと思うが……そうだな。俺が不在の間に、気軽に話をできる人が身近にいるのは気晴らしになっていいだろう」
夫の無事を信じて待つことしかできない不安と、どう向き合っているのか。できれば心の折り合いの付け方を聞いてみたい。
マンションの荷物は、梱包からすべて業者にお願いしてある。
思い入れのある場所だけど、戻れないのは仕方がない。
万が一、西崎さんが監視の目をすり抜けてきたらと、雅樹さんはいたく心配している。引っ越す前に私が再び彼女と遭遇したらいけないと、案じての判断だ。
彼女は今、追い詰められている。だからこそ、どんな暴挙に出るかわからない。その負の感情が、私だけでなくて雅樹さんに向くことが心配だった。
仕事が休みだった雅樹さんは、私とともに祖母のもとを訪れた。
「――というわけで、しばらくの間は雪乃をこちらで預かってください」
西崎さんの話を聞いた祖母は、ひどく心配そうな顔になる。
「それは怖いわね。わかったわ」
その後、私が仕事をしている間に雅樹さんはあれこれ動いていたようだ。
祖母の家に帰宅をすると、しばらくしてやってきた彼が現状と今後について教えてくれた。
「警察と、以前世話になった弁護士にも連絡を入れた。相手方には厳重注意がされている。彼女の親族に、再び付き纏い行為を行わないように監視をさせる」
この辺りが妥当だろうけれど、それでも不安は残る。彼女は大人で、その身なりから自由に使えるお金も多いのだと思う。そんな相手を四六時中監視し続けるなんて不可能だ。
「来週には、夫婦そろって官舎に入居できるように手続きをしておいた。勝手に決めてしまって申し訳ないが、最速で引っ越すにはそれが一番だったから。家族で暮らしている一家が多いから、きっと賑やかだと思う」
「ありがとう。官舎なら、周りはみんな雅樹さんの職場の方ばかりでしょ? 自衛官の妻の心得とか、いろいろとお話を聞いてみたい!」
「そんな大げさなものはないと思うが……そうだな。俺が不在の間に、気軽に話をできる人が身近にいるのは気晴らしになっていいだろう」
夫の無事を信じて待つことしかできない不安と、どう向き合っているのか。できれば心の折り合いの付け方を聞いてみたい。
マンションの荷物は、梱包からすべて業者にお願いしてある。
思い入れのある場所だけど、戻れないのは仕方がない。
万が一、西崎さんが監視の目をすり抜けてきたらと、雅樹さんはいたく心配している。引っ越す前に私が再び彼女と遭遇したらいけないと、案じての判断だ。
彼女は今、追い詰められている。だからこそ、どんな暴挙に出るかわからない。その負の感情が、私だけでなくて雅樹さんに向くことが心配だった。