嫌われ爺さんへの怨み節
「ですので、会わせたい親族の方々には、速やかに連絡をなさった方がよろしいかと⋯⋯」

「さようですか。お手数をお掛けしました」

志津子は、やっと学から解放されることに心の内側でひっそり歓喜しつつも、親戚に連絡しないといけないことの煩わしさを感じ、まずは美奈子にコールした。


30分後、迎えに来た美奈子は、

「一応、お姉ちゃんに爺さんが搬送されたことをメールしたけど、いつもと同じで、“私は別に見舞いに行かなくていいよね?”って返信だったよ」

ケロッと言うが、

「それが、今回はそうも行かないのよね⋯⋯」

「なんで?」

「爺さん、もう助からないんだって」

「ふーん、そうなんだ。余命どれぐらい?」

とことんドライな美奈子である。

「何日とはハッキリ言われなかったけどね、親戚にはすぐに連絡するようにって」

「でもさ、みんな遠方じゃない?そんな遠路遥々、爺さんに会いに来たい親戚なんているかね」
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