幼馴染み勇者様との一途な身代わり初恋♡~勇者の幼馴染という負けポジションの妹の身代わりになったつもりで、つもりだったのに何故か執着溺愛されちゃった私の誤算。~
 フェリクスの周囲には、青い光が溢れた。そして、空中にふわりと水の球が出来て、ぼんやりしている三人の上に落ち、たぷんと粘性のある液体のように彼らを包んだままで地面に落ちない。

「え!? え! え! フェリクス、このままだと! 三人は息が出来なくなるわ! やめてちょうだい!」

 私は焦ってフェリクスへ訴えた。水球の中でゴボゴボと苦しそうに息を吐き出した彼らは、喉を押さえて身体を揺らしていた。

「アリーチェ。大丈夫だよ……これで、前は記憶戻ったから。さすがに窒息しそうになったら、水を消すからさ~」

 楽しげに言ったフェリクスは、三人の方へ視線を向けた。苦しそうな三人を見ても落ち着いていて、動揺することもない……さっき、魔物の雨が降った時のように。

 私がこんなことを言ってしまうのもおかしな話なんだけど……聖女エリザベスは、どうしてこんなひどいことをされたのに、フェリクスのことが、あんなにも好きなままなの!?

 フェリクスったら……もう、信じられないわ。
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