幼馴染み勇者様との一途な身代わり初恋♡~勇者の幼馴染という負けポジションの妹の身代わりになったつもりで、つもりだったのに何故か執着溺愛されちゃった私の誤算。~

17 渇望

 そんな私には、ほんの気の迷いだった。これが、彼と会える最後の日なのだからと言い訳をして、眠っている身体に触れてしまった。

 けれど、よくよく考えてみれば、何年も駄目だと拒否をされていたのに、そんな私が身体を急に触りだして……ラッパが高らかに鳴り響いて、行為は中断することになったわ。

 もし、彼の幼馴染みが妹ジーノであれば、どうだっただろうか。

 村に住む幼馴染みで、淡い思いを抱いていた二人。

 フェリクスが村を出る日、彼女との肉体関係があったかなんて、描かれていなかったけれど、若くても経験者が多い田舎の村で、二人の間に既に関係があったとしてもおかしくはない。

 何年も恋仲であったのであれば、既にそういう仲になってしまっているだろう。私は彼が村去る未来を知っていたから、そういう仲になって捨てられることが嫌で、やんわりと拒んでいただけだもの。

 ……そうよ。

 もし、フェリクスの執着の理由がこれだとしたら、これまで私が不思議に感じていた、すべてに説明がついてしまうわ。

 中途半端な行為による、強烈なその先への渇望。村の幼なじみである、私への異常な執着を残した。

 フェリクスは二年もの長い間、あの先にあっただろうことだけを、延々と望むことになった。

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