蝶よ花よ、あこがれに恋して


ちなみに、私は一度つくれば3日カレーが続くほどカレーで食を繋げるタイプなので、実に三週間のうち三分の一がカレーというスパンだ。そろそろ牛すじが嫌いになりそうである。




「こんばんは」

疲れきった身体に鞭を打ちたどり着いたマンション。私のマンションは五階建てで、最上階に勝手な憧れを抱いていたため五階に住んでいる。しかしこのマンションには建設基準に満たないという理由でエレベーターは無い。

そのおかげで家賃は安いし、ダイエットにもなると安易にお部屋を五階に決めたあの時の私、本当に阿呆だ。

いまから五階まで階段で上がるのかと毎晩のことうんざりしていれば、突然推し、こと桜庭さんに遭遇してしまった。疲れが吹き飛ぶ。一瞬で。

「……こ、こんばんは!!」

疲労回復にはクエン酸ではなく桜庭さんであると確信する。

「今帰り?遅いね」

「あ……いえ、もう慣れました。……桜庭さんは……重そうですね?」

違和感を感じたのは片手。彼の手には大きな袋をふたつ持っていたのだ。

「ああ、うん。貰い物」

「(……貰いもの……プレゼントってことだよね?)」

なぜなら、リボンや可愛い色をしたラッピング用の袋が隠れきれていない。それ、明らかにプレゼントなんだけど、誕生日だとしてもそんな大量に貢がれるかなあ?

貢物といえば思いつくのはホストだ。桜庭さんがホストならば全財産注ぎ込むおそれがあるので恐ろしい。というか、ホストであればこの時間は出勤だよね?

「(桜庭さん、やっぱり謎だ……)」
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