蝶よ花よ、あこがれに恋して

桜庭さんとイブはすぐに打ち解けていた。桜庭さんはバスケットにも精通しているのか、それとも単純に桜庭さんの交友関係が広いのか、イブが応援するチームの、私が知らない選手の名前も全員知っていた。

ますます桜庭さんのことを尊敬した。

最初の不安はどこへ消えたのか、二人は打ち解けすぎて次回の約束も交わしていたし、その日居酒屋を出てもまだ飲み足りない(というより、話し足りない)様子だった。

私の胃も、二次会の準備をした。

なのに「男同士で話そう」と言われて私は除け者にされてしまった。自宅まで二人に送って貰うと、二人は桜庭さんの家で飲むらしい。

桜庭さ〜ん、忘れ物があります〜!
なんておどけて、こっそり紛れ込むことも可能だけど、男同士で、と牽制されてしまったので、私は素直に自宅へ戻った。

桜庭さんに感じた違和感はあったのに、イブのことが先行して聞けなかったのだ。






「心鈴ちゃん、少し話そう」




桜庭さんから、改まって対話を求められたのはその日から約三ヶ月後のことだった。




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