蝶よ花よ、あこがれに恋して
私は根っからの奉仕タイプなんだと思う。
誰かの恋の応援や、幸せのお手伝いが出来ることに喜びを感じるのだ。
「先生は、ご主人に一番最初にご馳走したメニューは何ですか?」
興味は星埜さんにあって、まさか自分に向けられるとは思わずに「え?」と首を傾げた。
「……あ、ごめんなさい。プロの方と同じ料理を、なんて、驕りが過ぎました……」
なんて可愛い……!
一度目はほぼ初心者だった星埜さんが、三度目でやる気に満ちてくれているのだ。これが幸福以外の何と例えることができるだろう。
「カレーです。牛すじのカレー。連絡先も知らない彼と口約束なんてしたばかりに、いつ会うかも分からない彼といつ会っても良いように、短いスパンでカレーばかり作ってました。会った時、やっとカレーを振る舞える!って思ったけど、何日もカレーを作ってましたなんて口が裂けても言えなくて、カッコつけて内緒にしてたんですけど、結局自分から口を割ってですね……」
勢い余って喋り過ぎたことを自覚し「あ、ごめんなさい!つい!」と、ストップを掛ければ、星埜さんはふわりと可愛らしく微笑んだ。
「先生の健気なお人柄に、ご主人は惹かれたんですね」
言われて気付く。
そういえば、好きになった時のこと、聞いたことが無いな……?