蝶よ花よ、あこがれに恋して


どうしよう、軽い女に思われたら、どうしよう。誰にでも許すのかって思われたくない。

でも、重い女だって思われるのも絶対にやだ。
重い、しんどい、信じてないの?
猜疑心に満ちた目を向けられるのはやだ。だったら嫌って言わないで、おどおどしないで、もう終わり?なんて余裕を持てばいいの?正解が分からない。

対極にあるふたつの感情が私の中に存在する。

恋愛という、ありふれた、難しい感情。一人ならば完結できることを二人になると上手にできないから、 推した方がいい。あこがれるだけなら、誰にも迷惑をかけない。だから……

「そんな心鈴ちゃんに提案があるんだけど」

桜庭さんが甘やかな言葉を落とす。視線だけで見上げた。桜庭さんがいっとう微笑む。

「俺を彼氏にしない?」

「……えっ!?」

「で、さっき言ったことって、俺が心鈴ちゃんの彼氏になればいっぱいしていいってことだよね?」

「い、いっぱい……?」

「そうじゃないの?」

……え、そうなの?
そんな話をした?私は、彼氏としかしないって言っただけで、いっぱいしたいのは…………桜庭さん?

自問自答しては、頬に熱が通うのは必然。
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