蝶よ花よ、あこがれに恋して
「(私に、魅力がないのかなあ……)」
深く落ち込んで、それなら仕方ないや!と、切り替える。
だって桜庭さんだもん。女優や女子アナさんとか、過去付き合っていた人は爆美女ばかりだろうし!
それに女子アナと言えば、初めて桜庭さんの試合観戦に伺ったあの日(イコール、お付き合い記念日です!)に、女子アナに関してある事件があった。
たしかに人気女子アナ、まいぽん風のメイクで参戦しましたよ!
”日本代表の桜庭志邑、新しい恋人は人気女子アナ風美女!“
『……だって』
『ぅぇえええっ!?!?』
こんな記事が出てしまったのだ。
桜庭さんが私に見せたのはゲラと呼ばれる刊行前の下書き段階の記事で、だからこそ、まだ改善の余地があった。
『ひ、否定っ!否定しなくていいんですか!?』
『なんで否定する必要があるの』
『あ……そうか』
そういえば、付き合ったんだ……。
恋人、という言葉をしっかりと胸に刻み『……ごめんなさい……』と、謝罪した。桜庭さんは平然と『なにが?』と首を傾げて、私を見据える。
『だって……迂闊でした。以後、気をつけます』
『別いいよ。俺が、心鈴ちゃんを見せびらかしたかっただけだよ』
俺が心鈴ちゃんを、見せびら──……!?
オーバーヒートした脳内は思考を強制終了させる。