蝶よ花よ、あこがれに恋して


「(……大事に……)」

いつかの私がずっと求めていた言葉をこんな形で貰うなんて思っておらず、胸にはいつもと別の温度が通う。言葉にするのももったいないほどの温もり。無意識のうちにほろりと涙が頬を伝った。頬をゴシゴシと拭うと、いつもみたいにふふっと笑う。

『この週刊誌が発売されるのはいつですか!?明日ですか!?』

『や、さすがに明日は無理かな』

『発売されたら十冊買って、三冊を自宅用に、残りを実家に送ります!!』

『家族もびっくりだね』

『桜庭さんのページは熟読させます』

『じゃあその前に心鈴ちゃんの実家にご挨拶に行こうかな』

『…………!?……!?!?』

『はは、真っ赤』

挨拶はまだ我慢しようね、と桜庭さんは私の頭をゆるりと撫で、抱きしめてくれた。

──……ということで、もうすぐ世間に”桜庭志邑の恋人は女子アナ風“という印象が放たれてしまう。もしもどこかで、うっかり桜庭さんのファンの方に会うことがあったとして『なんだ、こんなもんか』と思われたら嫌なので、体型維持や髪の毛の手入れは欠かすことなく続けると誓う。
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