夜の月
------私のお姉ちゃんは、10年前、突然暴走した車に引かれて死んだ。
その時私も一緒に引かれていたが、私だけが命をとりとめた。
そうこの時、家族が壊れた。
元々、歪だった家族が最愛の姉を亡くしたことによって、完全に壊れてしまったのだ。
あの日から、両親は私のことを夜としては見てくれなくなった。
私を、朝陽として扱う両親の顔がすごく歪んで見えて、
「私は朝陽じゃない」と、反論出来ずにいた。
だけど、今日この日お姉ちゃんの命日だけが私が私でいる日。
1年に1度という訳では無い。
両親のストレスの解消としても私は使われている。
それでもいいと思っていたんだ。
だが、さっきパンダたちから受けた暴力、
朝から体調の悪い身体に加えて、
日にちが変わるまで父からの暴力。
最初は耐えることができたが、
流石に不運が重なり耐えることができなかった私は、
父からの暴力が終わり次第逃げるように、家から飛び出した。
逃げるように飛び出したため、靴を履くのを忘れてしまった。
だけど帰ってからそのままの格好だったから、
パーカーだけが私の唯一の救いだ。
しばらくして、立ち止まり周りを見渡すと沢山の人工的に創り出された眩しい光の中にいた。