夜の月
ドキッ、
今度は心拍数が早くなった気がした。それに顔も心做しか火照っているように感じる。
恥ずかしくなり、霜月翡翠の首元に顔も埋めると、
ビクッと霜月翡翠が肩を揺らし、私の頭にその大きな手を置いた。
あ、またこの手だ、心地いいなぁ、
と、あまりの心地良さに目を瞑っていると、
「ねえっ!誰なのこの子お!」
と、完全に忘れていた女の子が突然叫び出した。
ビクッ
驚いて肩が少し揺れ、その時に霜月翡翠の手がゆっくりと私の頭を撫でた。
「はぁ、その子はこれから蝶姫(チョウキ)になる子ですよ。貴方みたいな、先代に頼んでここ居座っているような子じゃないんですよ。何を勘違いしてるのか知りませんが、早く出てってくれません?」
と、凄く辛辣な言葉を女の子に浴びせていたメガネくんは、すごく機嫌が悪いみたいだ。
他のふたりは、割り勘せずといった態度でケータイをいじってたり雑誌を見ていたりしている。