優しい雨が降る夜は
「お待たせー、みんな。紹介するね。姉の美月です」

待ち合わせ場所に行くと、美空は綺麗に着飾った3人の女の子達に美月を紹介した。

「初めまして、風間 美月と申します。いつも妹がお世話になっております」

両手を揃えてお辞儀をすると、女の子達は明るい声を上げる。

「やーん、お姉さんご丁寧ですね。こちらこそー」
「美空のお姉さんって、こんなにちゃんとしてるんだ。大人ですねー」
「おいくつですかー?」

自分の声より1オクターブは高いなと思いながら、美月はいつもの口調で答えた。

「わたくしは今年で満25歳になるところです」

すると女の子達は、人差し指を口元に当てて小首をかしげる。

「マンって、なんですかー?」
「1万ってことー?」
「やだー! 1万25歳って、ありえなーい」

それはそうでしょうとも。
さすがに私も亀ではない、と美月は口をつぐんだ。

「でもお姉さん、とってもお綺麗ですねー」
「ほんと。美空はチャライ感じなのに、お姉さんは清楚なんですねー」

は?と、美月は目をしばたたかせる。

「わたくしが、ですか?」
「うふふー、はい。あなた様でーす」

女の子達は楽しそうに顔を寄せ合った。 

「わたくしって、いいねー」
「今夜はみんなで、わたくしって使おうよー」
「さんせーい!」
「ではお姉さん、わたくしがお店までご案内いたします」
「わたくしもー!」

キャッキャッと明るい女の子達に手を引かれ、美月はお店に連れていかれた。
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