優しい雨が降る夜は
「お風呂ありがとうございました」

髪もドライヤーで乾かしてから、美月はリビングでコーヒーを淹れている優吾に声をかけた。

「どういたしまして。温まった?」
「はい。とっても気持ち良かったです」
「そう」

美月に笑顔を向けてから、優吾はふと真顔になる。

「そのバスローブ、そんなに大きかった?」
「え?」

美月は自分が着ているバスローブに目を落とした。

丈は足首まであり、袖も手の甲が隠れるくらい長い。

「雨宮さんにはぴったりかと思いますが、私には……。子どもが大人サイズを着たみたいですね」
「うん。バスローブの萌え袖って、なんかちょっと、やられる」
「もえそでって、なんですか?」
「いや、ごめん。いいよ、知らなくて。コーヒーどうぞ」

取り繕うように、優吾は美月をソファに促した。
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