優しい雨が降る夜は
思わぬ初体験
翌朝。
ぼんやりと目を開けた美月は、時計を見て驚く。

「もう7時? 大変!」

ベッドを降りてリビングに向かうと、中から流暢な英語が聞こえてきた。

(あれ? アメリカとのオンラインミーティング、夜にやったんじゃなかったのかな?)

とにかく今は入ってはいけないと思い、先に洗面所で顔を洗って、身支度を整える。

もう一度リビングに向かい、そっとドアに耳を近づけていると、ガチャッと中からドアが開いた。

「わっ! びっくりした」
「あ、ごめん」
「いえ、こちらこそ。あの、ミーティングは終わりましたか?」
「ああ、今終わったところ。やっぱり気にしてくれてたんだ。どうぞ、入って」
「はい、失礼します」

夜とは違って朝日がたっぷり降り注ぐリビングは、明るく広々としている。

「コーヒーとトーストでいいかな?」

キッチンに向かう優吾に、美月もついて行った。

「私にやらせてください。よろしければ、卵料理をなにか作りましょうか?」
「え、いいの?」
「はい。オムレツか、スクランブルエッグか、だし巻き卵かポーチドエッグか」
「それは迷うな……。んー、今日はオムレツでお願いします」
「かしこまりました。チーズがあれば入れましょうか?」
「ございますとも、とろけるものが」

張り切って冷蔵庫を開ける優吾に、美月は、ふふっと笑った。
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