優しい雨が降る夜は
「美月、おいで」

交代でシャワーを浴びると、先にベッドに入っていた優吾は優しく美月を呼ぶ。

おずおずと近づく美月を待ち切れず、腕を伸ばして抱き寄せた。

そのままベッドに横になり、チュッと美月の額にキスをする。

真っ赤になる美月が可愛くて、自然と頬が緩んだ。

「電気消すよ?」
「はい」

リモコンで照明を暗くし、ギュッと美月を抱く手に力を込めると、腕の中で美月はカチコチに固まった。

「美月?」
「は、はい」
「そんなので眠れる?」
「む、無理です」
「だろうね」

クスッと笑うと、優吾は優しく美月の髪をなでながら話す。

「美月、聞いて。自分ではそんなことないって言ってたけど、美月は俺にとって、魅力的で愛おしくて、心から大切な存在なんだ。がっかりしたり見放したりなんか、絶対にしない。だから美月、焦らなくていい。努力なんてしなくていいんだ。少しずつ時間をかけよう。俺は今、美月がこの腕の中にいてくれるだけで幸せだから」

美月はそっと顔を上げて優吾を見つめる。

「本当に?」
「ああ、本当だ。美月は?」
「私も、とっても幸せ」
「それなら良かった」

美月は安心したように微笑むと、ピタリと優吾の胸に頬を寄せて抱きついてきた。

(なんか、ちょっと……。やっぱり無理かも。いや、我慢だ我慢)

必死に己の理性を奮い立たせると、ふと思い出して聞いてみた。
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